診療について
【診療方針】
◎スタンダードな治療を基本に自然治癒力を最大限生かすよう努力します。
◎相談しやすい雰囲気作りに努めます。
◎常に新しい医療知識の習得・研鑽に努めます。
気分の落ち込み、意欲の減退、自分をつまらなく思う、不眠や食欲・性欲の低下などが主な症状です。ひどくなると自殺願望がでてきます。 全ての症状がそろわないことや、不眠ではなく逆に過眠(寝すぎる)となることもあります。
きっかけ(誘因)は、ストレスや悩み、環境の変化、 ショックな出来事など様々で、これといったきっかけがないこともあります。
病態(病気の成り立ち)には脳内の神経伝達物質のアンバランスが関与しており、 早期にお薬を服用し休養をとることが大切です。
最近、疫学的(≒統計学的)研究などからうつ病と不安障害は類縁疾患であることが明らかになってきています。
その名のとおり「躁」と「うつ」を繰り返す病気です。
「躁」の時期は、エネルギーに満ち溢れ、自覚的には元気いっぱい、活動的で、爽快感を伴うこともあります。 事業や旅行などいろいろなことを意欲的に計画し、頭の回転も速く、雄弁で自信満々ですが、周囲の人々から見ると空回りしていて、出過ぎた言動が目に余るといった状態です。 この時期に、多額の借金を抱えたり、交通事故や暴力事件を引起こすことも少なくありません。
これとは反対に「うつ」の時期にはエネルギーが低下し、憂鬱になり、意欲もなくなります。うつ病と同じ状態です。
「躁」と「うつ」の期間は、それぞれ数週間から数ヶ月程度が一般的で、「躁」から「うつ」(あるいはその逆)への切り替わりは一瞬だという話を聞くほど、 短時間のうちに切り替わることが多いようです。この病気の発症には遺伝的な要因が比較的強く関わり、 高名な学者・芸術家や社会的に成功した人自身やその親族にこの病気の人が多い傾向にあるようです。
通常はなんとも思わないようなささいな状況に対して、強い不安を感じたり緊張したりし、あるいは、 そのような状況に自分が置かれることを想像するだけでも強い不安を感じ、それらの状況を避け、毎日の生活や仕事に支障をきたしてしまう病気です。 他の不安障害と同様に、抗不安薬や抗うつ薬が著効(よく効く)することが多くあります。
漠然とした不安や心配が続き、それがもとで日常生活に支障をきたしてしまう病気です。「胸のモヤモヤ感」との表現もよく聞きます。
以前は不安神経症と呼ばれていました。抗不安薬や抗うつ薬が著効(よく効く)することが多く、飲酒によっても症状が一時的に緩和されることもあるため、 二次的にアルコール依存症になってしまうこともあります。
突然、胸がドキドキし、しめつけられて息ができなくなり、このまま死ぬのではないかという強い不安感~恐怖感に襲われ、パニックになる。 救急車で救急外来に運ばれて、心電図検査を受けてもこれといった異常がみつからない。
こういった経験を繰り返し、 また起こるのではないかという不安が募っていく。そして、引きこもりがちになっていく。
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こんな病気です。乳酸(疲れた時に筋肉に溜まる物質)や二酸化炭素でも、 パニック発作が誘発されることが明らかにされています。抗不安薬や抗うつ薬が著効(よく効く)することが多くあります。
様々な原因により、眠れない状態が慢性的に続くと不眠症ということになります。
「眠れない」の性状を、「入眠困難」(寝つきが悪い)、 「中途覚醒」(夜中に目がさめる)、「熟眠障害」(熟睡できず、夢ばかり見る)、「早朝覚醒」(朝早く暗いうちから目が覚める)などと表現します。
客観的に何時間眠っていようと、本人が眠れていないと自覚するならば、すなわち、睡眠に対して不満があれば不眠症と判断されます。
不眠は様々な原因で生じえますが、他の心療内科・精神神経科疾患の前ぶれ的な症状であることもあるので、早期に医師に相談することが大切です。
不眠症の治療には、しばしば睡眠薬を使いますが、現在、医療の現場で使われている睡眠薬は、依存性(いわゆる「中毒になる」)や 耐性(「慣れ」、段々と効かなくなること)が生じにくい安全性の高いものとなっています。この点について多くの方が誤解をされており、 この誤解が病気治癒の妨げとなっているということも少なくありません。
幻聴(そこに居ない人の声などが聴こえる)や妄想(訂正困難な思い込み)を代表症状とし、世界中、地域や人種、性別、貧富、学歴などに関係なく、おおむね100人に1人程度という稀ではない頻度でみとめられる病気です。 遺伝的な要因を背景にして、脳内のドーパミン神経系が病気の成り立ちに関わっているということは明らかになっていますが、決定的な原因はまだ解き明かされていません。
主に思春期に発症し、多くの場合、薬物療法を中心とした治療で症状は治りますが、 再発防止のために少量のお薬を続けることが大切です。
家の鍵をかけたか、ガスの元栓を締めたか、などといったことを何度も繰り返し確認してしまわずにはおられない、あるいは何度も計算をし直さずにはおられない、など理性では無意味と分かっていても強迫観念にとらわれて行動してしまい、やめることができなくなる障害です。
度の過ぎた几帳面とも言えるかもしれません。 不安障害と同様に、抗不安薬や抗うつ薬が著効(よく効く)することが多くあります。
持続する物忘れに加えて、被害妄想や暴言・暴力、徘徊、不眠、身だしなみに気を使わない、食欲がない、やる気が出ないなどの症状が出現することもあります。
認知症は
①物忘れや物盗られ妄想などを主な症状とするアルツハイマー型認知症
②小人が見えるなどの幻視を主な症状とするレビー小体型認知症
③脳梗塞などをきっかけに発症する脳血管性認知症
④他人に配慮せず、周囲の状況にかかわらず自分が思ったように行動する前頭側頭型認知症
などに分類されます。
早期発見と早期対応・治療が大切です。
事故、災害、暴力などの強い恐怖体験がきっかけとなり、夢でうなされたり、恐しい場面を繰り返し思い出したり、小さな物音にびくついたりし、 神経過敏や不眠などに陥る障害です。
この障害をもつ人は、脳の記憶をつかさどる部位である海馬が小さくなっているという報告もあります。
病初期に、睡眠薬などによる不眠の治療を積極的に行うことによって、重症化を防げることが少なくありません。
ほどほどに飲酒ができない病気です。飲酒量が多いからアルコール依存症だとか、少ないからアルコール依存症ではない、とは言えません。 重要なのは、「ほどほど」であるか否かということです。
・肝臓が悪くなっているため内科医からドクター・ストップがかかっているにもかかわらず飲酒を続けている。 ・仕事に支障が出るような飲み方を続けている。
・休日は昼間から飲酒している。
・家族からの注意を避けるため、隠れて飲酒している。
・朝の出勤途中や、勤務時間中に飲酒している。
このような飲酒状況があれば、アルコール依存症の可能性が極めて高いと言えます。
ご本人は「少ししか飲んでいない」などと事実を否認し、自分がアルコール依存症であることを否定されることがしばしばですので、 まずはご家族だけでも医師に相談されることが第一歩です。
一番身近な依存・乱用薬物はアルコールです。
また、代表的なものとして覚せい剤やシンナー(有機溶剤)があり、 近年では「MDMA」などの合成麻薬のクラブなどでの若者の乱用が問題となっています。
これらの薬物の使用は、心身を蝕み、本人が逮捕されたり、購入資金のために借金を作ったり、 あるいは暴力事件を引起こしたりといった社会的なトラブルをもたらし悲惨ですが、さらに恐ろしいのは、使用(~乱用)を続けるうちに、 あるいは、使用を止めてもしばらく経った後に、うつ病や精神病にかかりやすくなることです。
「不注意」・「多動性」・「衝動性」などの症状が見られます。
・「不注意」とは集中力が続かない・気が散りやすい・忘れっぽいなど
・「多動性」とはじっとしていることが苦手で、落ち着きがないなど
・「衝動性」とは思いついた行動を、行ってもよいか考える前に実行してしまう
という状態です。
こうした行動は多かれ少なかれ幼少時には誰にでも見られますが、幼少時に日常活動(学業・家庭生活・友人関係など)に問題があり、それが持続している場合にはADHDと診断されます。ADHDは、不注意優勢型、多動・衝動性優勢型、混合型があると言われていますが、不注意優勢型は他のタイプに比べて問題が目立ちにくく、見過ごされてしまうこともあります。
その結果、成長して社会に出てから壁にぶち当たってしまい、適応障害やうつ病などを伴うことがよくあります。
過眠症の一種で、時間や場所・状況を選ばず起きる強い眠気の発作(睡眠発作)を主症状とする神経疾患です。 典型例では、睡眠発作に加えて、喜怒哀楽など感情の高ぶりに伴って膝をはじめ全身の力が一瞬にして抜けてしまう情動脱力発作や、 寝入りばなの金縛りや幻覚(入眠時幻覚)といった症状がみとめられます。
ほぼ100%の罹患者において、白血球の血液型であるHLA(ヒト白血球抗原)の型が「DR2」(DNAレベルの検査法ではDR15)となっていることなどから免疫系の異常が原因として想定されており、また、近年の研究によってオレキシンという覚醒に関わる生理活性物質を産生・調節するオレキシン神経系の障害が原因であることが示唆されています。 臨床的には、睡眠時無呼吸症候群(S.A.S.)との鑑別が重要です。
■■■ご注意■■■
本サイトに記載しました病気の症状や経過は、典型的~代表的なものの一部で、全てを網羅するものではありません。
記載した症状・経過・治療がその病気をもつ全ての方に当てはまるわけではありませんし、症状のどれかが当てはまるからといって、 その病気であることを示すものでもありません。
病気や障害の診断および治療に関しては、必ず医師による診察をお受けください。